手のかかる愛着のわくものを大切に|アゲパンヤ。

| 2019 08.23

Facebook 0
Pinterest 0

「おいしい」を作る人たちの、想いと暮らしかた

JR水前寺駅を北口から出て徒歩1分。

学生の元気な声が聞こえてくる平和な住宅街に突如現れるのは、通りがかった誰もが目を奪われるほどインパクトのある、大きくて未来的なシルバーの物体。

 

遠目にはそれがいったいなんなのか想像もつかないその正体は、丸みを帯びたボディが印象的なアメリカのキャンピングトレーラー、“エアストリーム”。

海外映画などでもよく見かけますね。

 

 

 

そうです!

このアメリカンでかっこいいキャンピングトレーラーこそが、今回取材をさせていただく 『アゲパンヤ。』 の店舗!

 

 

11年前にオープンして以来、アゲパン一筋のこのお店。

すべて手作りで、毎日朝からお店で生地を仕込んでいるそうです。

 

 

生の生地からじっくり揚げているので、表面はサクっと中はもっちりとした揚げたての味が楽しめます。

アゲパンなのに全然脂っこくなくちょうどいい甘さの「アゲパン」は、何個でも食べてしまいそうな、あと引く美味しさ。

 

常連のお客さんも多く、この日も、学生のころから通っているという男性の常連さんがいらっしゃってました。

 

『アゲパンヤ。』 は子供から大人まで、地域に愛されているお店なのです。

 

そんな11年間変わらない味を守り続けているのは、こちらの中松さんご夫妻。

 

 

 

 

お店の雰囲気に負けないくらい、素敵なお二人!

 

今回は奥様の中松 雅子さんに、お店のことや自身の暮らしについてお話を伺いました。

 

 

 

 

 

— どういった経緯でお店を始めることになったのですか?

 

以前主人は金属関係の仕事をしてたんですけど、一時期金属関係がいっぺんに不況になり不安定な時期があったんです。

それで何とかしなきゃ!と思って始めたのが 『アゲパンヤ。』。

 

もともと自分の子供たちに添加物が多く使用されている市販のパンを食べさせられなくて・・・

私がパン作りが趣味だったこともありずっと手作りしてたんですが、それをそのまま販売することにしたんです。

 

そうして、誰に食べさせても安心なおやつの 『アゲパンヤ。』 が誕生しました。

 

お店を始めてから、ありがたいことにどんどん忙しくなっていったので、主人にも手伝ってもらって一緒にやるようになりました。

 

 

 

 

— メニューは定期的に変えていらっしゃるのですか?

 

創業当初からメニューは変えてないんです。

ずっと同じ作り方でずっと同じ味。

「変えないこと」にこだわりを持ってやっています。

 

うちのお店には、学校帰りの学生さんからサラリーマンや主婦の方、ご年配の方まで本当に幅広い層の方が来てくださるんですが、こうやってこの味を求めて来てくださるお客さんがいらっしゃる限り、これからも変えないと思います。

 

 

 

 

 

 

 

— 人と人との関りを大事にしたり、時代に流されない軸を持っているからこそ、お客さんに愛され続けているのでしょうね。
お休みの日はどのように過ごされていますか?

 

休日にイベント出店がない時は、八代の保健所に出向き、犬舎のお掃除や散歩の手伝いなどのボランティアをしています。

 

今うちの家には犬2匹と猫5匹いるんですけど、ほとんどが野良猫だったのを保護した子や、保健所から引き取ったりした子たちです。

そういったことがきっかけで、保健所のお手伝いをするようになりました。

 

ほかには、2人とも美味しいものを食べることが好きなので、わざわざ阿蘇までパンやお野菜を買いに行ったり、主人が最近SAP(ボードの上に立ち、パドルを漕いで水面を進んでいくアクティビティ)を始めたので、海や湖にも行っています。

 

私は泳げないので犬と一緒に木陰から見守りながら、ゴミ拾いをしたりしていますが(笑)

 

 

 

 

— 充実した休日を過ごされていらっしゃって素敵です。
奥さまのお気に入りの場所や、こだわりの暮らし方はありますか?

 

私家が大好きなんですが、その中でも特に台所がお気に入りの場所ですね。

料理が好きでよく料理をするので、もう「台所に住んでいる」と言ってもいいくらい台所にます。 (笑)

 

こだわりかはわかりませんが、今うちでは、電子レンジも食洗器も置いていません。

もともと両方とも使っていたんですが、壊れたのをきっかけに「本当に必要なものかな?なくてもやっていけるんじゃないか?」と思って、買い替えなかったんです。

 

そしたら意外と全然不便じゃなくて。

電子レンジを使わなくても蒸し器や焼き網、トースターなど他の手段があるし、食洗器を使わなくなったら食器の選び方も変わりました。

例えば今までは「レンジOK」とか「食洗器OK」の安っぽいものばかり買っていたのですが、今は好きな作家さんの素敵な食器を揃える楽しみが増えました。

 

お気に入りのお茶碗を丁寧にひとつずつ手で洗っていくのも楽しくて、私にとってすごくいい時間なんです。

 

あとは、食材はもちろん、洗剤や歯磨き粉など体に直接触れるものにはこだわっていて、できるだけ環境に優しいものや体に害がないものを使うようにしています。

 

 

 

 

— 毎日を楽しく暮らすために大切にしていることなどはありますか?

 

毎日普通に過ごしてるだけでも十分楽しいんですけど・・・

「好きなものに囲まれた暮らしをしたい」という思いは、日々大切にしています。

 

アレルギーになったことがきっかけでもあるのですが、最近は「素材感」を大切にしていて。

特に綿やリネンなどの天然素材が好きです。

洋服だったりタオルケットだったり、身に着けるものは素材で選ぶようになりました。

 

今日着ているのは、福岡県八女市にある「うなぎの寝床」で2年前に買ったもんぺと、少し前にnidで購入した「Shell House」のリネン素材のエプロン。

どちらもすごく着心地が良くて、お気に入りのアイテムです。

 

 

 

 

— 最後に、中松さんが描く今後の未来図を教えてください!

 

大きな夢とかはなくて、ずっとこのまま 『アゲパンヤ。』 を続けていけたらいいなと思っています。

きっと髪の毛が真っ白になっても、割烹着を着てお店に立ってると思います。

 

なんか、おばあちゃんがアゲパンを売ってたら、もうそれだけで美味しそうじゃないですか。(笑)

そんなお店になれたらいいなって。

 

そして来てくださってるお客さんもどんどん一緒に歳を取っていって、

お客さんの成長や変化が見れたりとか、そういうのを考えると未来がすごく楽しみです。

 

ずっとこの場所で、この町とお客さんと一緒に時を重ねていけたらいいな。

 

 

 

 

便利で簡単なものより、手のかかる愛着のわくものを大事に、毎日を丁寧に暮らされている中松さん。

 

「毎日普通に過ごしてるだけでも十分楽しい」とおっしゃる中松さんのように、何気ないありふれた日常の中に、ありがたみや幸せを感じれるのはきっと心が豊かな証拠。

そんな暮らし方、素敵ですよね。

 

必要なもの、そうじゃないもの。

 

「自分の基準」をきちんと持つことが、自分にとって快適で、また一緒に住む家族も幸せになれる暮らしに繋がっているのかもしれません。

 

 

そんなご夫婦が作る愛情のこもった手作りのアゲパンは、きっとこの先何年も何十年も、地域の人をはじめ多くの人たちに愛され続けることでしょう!

 


アゲパンヤ。

[ 住所 ] 熊本市中央区新大江1-21-6(水前寺駅北口前)

[ 営業時間 ] 10:30~無くなり次第終了

[ 定休日 ] 日・祝

シェア