モノをつくるひと vol.01|宝島染工/大籠 千春さん

モノコト | 2019 03.08

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「宝島染工」で働く職人さんの、豊かな日々の暮らし方。

 

 

福岡県にある「宝島染工」は、植物の葉や花、幹、根、皮、果実などをはじめ、泥や炭、海藻などの天然素材を使って手染めを行っている染工所。

 

昔ながらの染色技術で一枚一枚ていねいに手で染められる洋服やストールは、どれをとっても味わい深くしなやかで、独特の雰囲気を醸し出しています。

 

服のデザインから製造まで、縫製以外の一連の作業を工房で行い、布・ボタン・タグ・パッケージングなど細部にまでこだわりが詰まっています。

 

今回は、「宝島染工」のオーナー、大籠千春さんにお話を伺いました。

 

 

■目指すのは、他のブランドや洋服に差し込みがしやすいような服。

 

同じ業界内で競い合うのではなく共存していける服作りを選んだ、「宝島染工」オーナー 大籠千春さん。

 

「シーズン毎に新しい商品を出し続けるのではなく、今も定番商品を少しづつ増やしていってます。

最初シャツから展開を始めたのですが、ベーシックなラインは変わらず作り続け、それ以外の新しいものはリミテッドや柄として取り入れることにしています。おんなじのをずっと作り続けたいんです、本当は。なので、エッジが効いたものは他のお店さんで買ってください。(笑)
そんな服にでも合わせやすいモノを作っていけたらと思います。」

 

 

いろんな場面でいろんな人に着てもらいたい。

 

宝島染工の服はニュートラルなデザインが多くサイズもゆったりめ。

年齢や性別・体形など、着る人を選ばないところも魅力のひとつです。着ると軽やかで美しいラインが出るようにデザインされています。

 

「小柄な方や背の高い方、幅広い年齢層の方に着てもらえるよう、少しゆったりめに逃げしろのあるサイズ感で作っています。

襟やボタンのアクセントで少しパリッとさせて “キチンと感” もあるのに、お家で普通に洗濯ができるという扱いやすさ。

毎回ドライクリーニングも無理だし、アイロンもかけたくない。

ザッと洗ってバスタオルでグッと丸めてギュッと絞って干しておけば乾くので、出張や旅のお供にも持っていきやすいんです。これとステテコとキャミソールがあればOK!2枚ずつぐらい持っていけばあとは何とかなるみたいな(笑)そんな感じで使ってもらいたい服です。」

 

 

 

 

―――――「宝島染工」を愛用しているお客さんから伺ったおはなし。

 

「 “天然染め” という言葉は知っていたけど、実際にそのモノを身に付けたり、触れたことはありませんでした。
宝島染工さんのお洋服を初めて見たときはその色の綺麗さに目を引かれました。」

 

 

「私が選んだのは宝島染工さん定番の “切替シャツ” 。

最初だし何にでも合わせやすくて使えるモノがいいなと思い、短いタイプのシャツを選びました。

 

リネン100%の素材はそれだけでも着心地がいいのですが、襟なしのノーカラーのシャツは洗いざらしのリネンでもどこかきちんと感もあって、パンツにもスカートにも合わせやすい。
裾部分の丸くカットされたデザインや、余裕をもって着ることができるサイズ感もツボでした。

 

最初に感じた色の印象も洗濯をするうちに、風合いが変わり違う印象に。」

 

 

「ブラックの切替シャツなのですが、日の光に当たると染めの中で使われる藍色を感じることができます。
幾度となく色を重ねて生み出される色合いも、とてもお気に入りです。

 

普段のお出かけにもそうですが、仕事の場面でも活躍してくれます。
今日はきちんとしたいなーとか、気合いれてがんばろう!とか、そんなときにこの切替シャツを着用しています。

 

切替Bigシャツのシルクコットン素材のタイプも愛用しています。
なんと言っても魅力なのが、ふわっと軽くしっとりとした着心地。
さらりとしたコットンとなめらかなシルクの素材は、着ていてとっても気持ちがいいんです。

 

シャツワンピースとしても着用できるから、一枚でも前開きで羽織としても、いろんな着方が楽しめるのもうれしい。

 

宝島染工さんのお洋服は、ラフだけどピンと背筋が伸びるような大人のかっこよさも兼ね備えた、そんなお洋服です。」

 

 

現代の人々の暮らしに寄り添う伝統工芸。

 

「今は8割~9割は、私がデザインしています。でも私の形だけにこだわる必要もないなと感じたので、そろそろ外部の人や若いスタッフにも入ってもらってデザインしたいと思っています。

私だけが考えてると、ちょっとおばちゃんの服みたいになっちゃったらどうしようと思って。(笑)

それぞれの苦手なところを得意な人で補い合いながら、みんなでまとめる形が理想です。」

 

 

アパレルの世界は動きも早いし人の流れも速い。

その中で自分のデザインが良くないと思ったら、どんどん若い人たちの意見も取り入れて行くという大籠さん。

 

「今はあっち行きこっち行きしながら、要素を足していっているという感じです。和紙のニットだったり、生地からプリントを入れてみたり。ちょっとずつ足していきながらも、“あまり変わらないモノ” を目指しています。」

 

 

伝統的な技術はもちろんのこと、時代の流れを捉えるセンスと人々の需要や暮らしに寄り添う柔軟な考え方が、きっと今の「宝島染工」を作っているのだと思います。

 

これからも、変化していきながらも変わることのない「宝島染工」に注目していきます!

 

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宝島染工(たからじませんこう)

福岡県三潴郡大木町横溝2068-1
Tel : 0944-33-0935
営業時間: 9~17時
定休日: 毎週土・日曜

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